『どうしてこうなるの!?』(良くも悪くも) by HachiOkan

くせもの家族や世間に対する、悶々とした「思い」を吐き出しています

気になったこと #介護と自尊心

母は、亡くなる前の4か月間、

介護老人保健施設に入所していた。

 

母は、晩年、視力をほとんど失っていて、

かつ、足腰も弱くなり、

1人での活動はできなくなっていた。

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実家は、両親と姉の3人暮らしで、

姉が仕事で留守の間は、

父が、母を世話し見守っていた。

 

しかし、父が病気で、突然入院し、

そのまま半年後に亡くなってしまった。

 

そのため、数か月間は、姉が留守中、

母は、デイサービスを利用するなどしていたが、

体調を崩し入院。

 

そのまま、ほぼ寝たきりになり、

軽く認知症もあるということで、

姉一人での自宅介護は

無理な状態になった。

私は実家とは別の県に住んでいて

なかなか実家に帰れない。

 

そこで、介護老人保健施設に、

お世話になることになった。

 

母が入所してから数日後、

私は、母の様子を見に行った。

割と新しく開所された建物内は、

明るく清潔で、きれいだった。


部屋は個室で、窓も大きく、開放的。

「ここなら、不安症な母も、

姉がそばにいない寂しさはあっても、

気持ちよくすごせそうだ

と、安心した。

 

そして、昼食の時間。

食堂に、入所者が集められている。

母のいるフロアには、

全部で25名ぐらいが入所している。

 

それに対して、看護師さん、

ヘルパーさんは、3人のみ。

なんか、お世話するスタッフ数が

少ない気がする。

(ちょっとだけ不安)

 

ヘルパーさんは、食事の間中、自分の両側に、

食事介助が必要な入所者を座らせ、

残りの数人を、テーブルを

囲むように座らせて、

食事をとらせている状態。

 

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食事が終わり、部屋にもどったあと、

母が、トイレに行きたい

言い出した。

素人が勝手に、母を動かしては危ないと思い、

スタッフコールした。

 

部屋にきてくれたヘルパーさんに、

母がトイレに行きたいと言ったところ、

「紙パンツ履いているから、

そのまましていいですよ」

というだけで、トイレに連れて行ってくれない。

(一瞬、「えっ?」と思った)

 

私からも

「母は、ベッドの上で

排尿するのは恥ずかしい

みたいなので、

一度、トイレに連れて行って

もらえないですか。」

と、伝えても、

「すぐ慣れますから、

そのままそこで

排尿してください」

である。

 

確かに、母は紙パンツを履いている。

足腰が弱く、ベッド⇔車いす

車いす⇔トイレに移動させるのは、

時間も手間も、ヘルパーさんの腰への

負担もかかる。

 

下手に動かして、転倒などしたら、

骨折などの重症になってしまうかも

知れないので、大事をとりたい。

いろいろな事情があるのは、

仕方がないよね。

 

理屈としては、確かに、

粗相してもいいように、

紙パンツを使用しているわけで、

そこで排泄していいのはわかる。

 

汚れた紙パンツを取り換える手間や負担も、

確かに大変だと思うし、

毎日、食事、入浴、排泄の

お世話をしていただいてることには、

とても、感謝してる

 

実際に移動させると、

母が、足腰を痛がるのも事実で、

毎回痛い思いをさせるのも、

気の毒だという気持ちもあり・・・。

家族も、本当は、確かに

迷うことであるんだけどね。

 

もちろん、排尿・排便すれば、

紙パンツを取り換えてくれるが、

軽く認知症になっても、

トイレのことなどは、まだ、

理性や自尊心が残っている母が、

ちょっと気の毒

 

でも、1人のスタッフさんが、

担当している入所者の数をみると、

強く言えなかった。

 

しかも、食事前後などの多忙な時は、

なおさら。

でも、せめて、それ以外で、

部屋にいるときぐらいは、

連れて行ってくれると、

母の気持ちにも応えられるし、

そのうえ、母のリハビリにもなるのに、

と家族としては、もどかしさを感じた。

 

少し、話がそれるけど、

ダンナが、脳梗塞治療の際に

お世話になったリハビリ病院では、

自宅に戻ったときに、なるべく、

今までの生活に戻れるようにと、

リハビリがメインだった。

 

そのため、患者さんが多少痛いと言っても、

トイレでの排泄や、着替えなどの

自分の身の回りのことができるように、

看護師さんや療法士さん、ヘルパーさんが、

意識的に、トイレに連れて行くなどの、

お世話をしていた。

 (おかげで、ダンナは、

多少の麻痺はあるものの、

自分のことは、ほぼ、

自分でできるまでに復活した)

 

リハビリ病院と、介護老人保健施設とでは、

その役割、指針は違うと思うけれど、

母の「自尊心」にもう少し、

歩み寄ってもらいたかったなぁと、

今更ながら思うときがある。

 

でも、もし、自分自身が

義父母やダンナ(?)を、

介護することになったとき、

どのぐらい、相手の自尊心や気持ちに

寄り添うことができるかなぁ

 

やはり、自分に、よほどの余裕

(心、体力、時間すべてで)がないと、

自分の効率、やりやすさの気持ちから、

理屈ばかりを、

押付けてしまうのかな・・・。

 

ちょっと、自信がないかも・・・。

 

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